
「人に相談するのが苦手で、相談できるようになるためには」を考えてみました
今日の取材で「人に相談するのが苦手で、相談できるようになるためには」って質問をもらった。言われてみれば、ぼくもそうで、悩みを人に話すってめちゃくちゃハードル高いし「こんな話聞かせるの悪いな/みっともないな」って思って話せない。今日1日かんがえてみる。
— 吉本ユータヌキ@2月23日に本が出ます (@horahareta13) February 13, 2023
相談するの、悩みを打ち明けるのって、めちゃくちゃ難しいですよね。
ぼくは2年前、すごいしんどいタイミングで「コーチング受けてみたらいいよ」と紹介してもらって、鵜呑みにして受けて救われたから、いまは「悩みは人に話すといいよ/雑談しなよ」って言っちゃってたんですけど、そもそもは話せないタイプ。
あの時、紹介してもらってなかったら、今も1人で頭を抱えてたかも。
自分なんかの話を聞いてもらうのは申し訳ない。
時間奪っちゃう悪いな。
こんなことで悩んでるなんて、みっともないって思われないかな。
って、色々考えちゃって、忘れるまでモヤモヤモヤモヤ。忘れられたらいいけど、忘れられないから苦しいんですよね。
ちなみに、今ぼくは悩みを相談できるようになりました。って言っても前よりは。
まだ「どうしよどうしよ…」と思うこともあるんですけど。
前よりは、なにが変わったかというと、自分に
「本当はどうしたい」を問えるようになったからなんです。

「本当はどうしたい」をみつける
公認心理師・プロコーチの中山さんと雑談をするようになって2年近く。
いろんな問いをもらってきたんですけど、その中で1番衝撃的だったのが「本当に?」なんです。
当時、ぼくが事務所をやめたいと思ってた頃。
吉本「事務所やめたいと思ってるんです」
中山「やめたいんですね」
吉本「まわりの作家さんとモチベーションも全然違うし、ここにいることで自分ももっと頑張らないと思ってしまうのが、しんどくて」
中山「うんうん」
吉本「だから自分1人で好きなことやってる方がラクだと思うんです…でも、ここまでお世話になったのに全然貢献できてないから、いま辞めるのも不義理で申し訳ないんで。ちゃんと恩返しできてからの方が…」
吉本「やっぱりもうちょっと続けてみようと思います」
中山「それでいいんですか?」
吉本「……はい」
中山「本当に?」
えっ!?
自分でも続けてみるで、納得したと思ってたのに「本当にそれでいいです」って言えなくて。
改めて考えてみたんです。「本当はどうしたい」んだろ。
自分の中をさがしてみる。そしたら答えはシンプルでした。
すぐに担当さんに「辞めます」って連絡できたんです。
行動してしまえば「なんでこんなに悩んでたんやろ」って思うけど、それまではほんとにこわくて。「辞めます」って言うと
「ここまで面倒見てやったのに不義理だな」
「あいつ心折れて逃げたな」
「コルクのために頑張る!って言ったクセに」
って思われるんじゃないかって想像してしまってたんです。
だって、こわいじゃないですか。事務所とは直接連絡取ることはなくても、業界は一緒だし、SNSでお互いが見えるところにいる。イヤな噂が広がったらって考えちゃうし。
嫌われたくないし、情けないやつとも思われたくない。
「そんなこと気にしなくていいじゃん」って言ってくれる人もいるけど、気になっちゃう。
***
「どうしたい」はスッと出てくるんです。
けど、それは誰かに気を遣ったり、周りの目を気にしたり、こう言っておけば丸く収まるだろうみたいなフィルターを無意識に通した「こうした方がいい」「こうしておけば今はラク」みたいなものだったんです。
もちろんそれでもいいんですけどね。
無意識にフィルター通しちゃうぐらいなんですから。
それはもうとんでもなく自分にとって向き合うのも、行動するのも大変なことってことですよ。
だから。
いまのぼくは「誰かに悩みを相談したい、けど…」って思ったら
自分に「本当はどうしたい?」って聞いてみて、それが、しんどい、こわい、恥ずかしいことってことに気づけたら、まずはそれで十分。
めちゃくちゃエラい!って思ってます。超褒めます。
あとは、自分の勇気が出るタイミングで、動いてみればいいと思います。
「その勇気が出んのじゃ」って思うかもしれないんですけど
「本当はどうしたい」がわかったら「するためには」って考えが、ちょっとずつ湧いてくるんです。ぼくもびっくりしたんですけど。
「本当は、事務所やめたい」
「でもやっぱりこわい、しんどい」
「あっ、でもこのままずっと続ける方がしんどいかも」
「…」
「それなら辞めた方が、自分のためかも」
「でもいつ言おう…」
「どうせ言うなら、早い方がいいな」
「…あと、1回担当さんに連絡して、代表に伝えてもらおう」
って感じで。こわいって気持ちはなくなるわけじゃないんですけど、それより自分の気持ちが優先になって、前進してました。
で、実際言ってみたら、真っ直ぐ話を聞いてくれて、止められることもなく、すぐに受け入れてくれました。こわく想像してしまってたのは、ぼくの勝手な思い込みだったんです。
ちなみに、今も所属してるのは、当時の連載が終わるまで所属って感じで、少し猶予があった期間に自分の「本当はどうしたい」が「コルクに残って、もうちょっと頑張りたい」になり、続けさせてもらうことになりました。
こうして動いてみないと気づけないこともあるし、どうしたいは日々変わっていく。変わっていくことは、おかしくないし、恥ずかしいことでもない。それに自分が幸せに生きていくために、自分の「どうしたい」に素直に生きていい。
そんなことに気づけたのも「本当に?」って聞いてもらえたから。
今も自分の中で支えになってる問いです。
最後に。
「人に相談するのが苦手で、相談できるようになるためには」
に対する答えは
「いま、本当はどうしたいですか?」
いま、わからなくてもいいんです。時間かかることが全然わるいわけじゃないし、先延ばしするのも、自分を守るために立派な選択。ぼくは、そう思ってます。

本の発売まであと8日になり、ほんとびっくりするぐらい毎日バタバタしております。1日24時間じゃ全然足りない!
そんな中、先週も書いたんですけど、ひきつづき本をお贈りさせてもらう方々に手紙を書いてるんですけど。出版社の方のご厚意と前のめりな姿勢もあり、とんでもない方に手紙を書くことになりました。