肩書きがなくても、自信がなくても、何者にもならなくても大丈夫
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肩書きがなくても、自信がなくても、何者にもならなくても大丈夫

吉本ユータヌキ

いつからか自分を”漫画家”と名乗っていた。本当は名乗りたくなかったけど。

それは漫画を描きはじめた8年ほど前から、ずっと『おこがましさを感じる』『名乗ることでハードルが上がる』『そもそもそんな自覚がない』と、あらゆる理由あった。まとめるとシンプルに”自信がない”だけ。
そんな感じでずっと自分のことを『漫画を描いてる人』とボンヤリ称してきたものの、漫画の仕事が増えてきたタイミングで”漫画家”と名乗る決心をした。自己紹介するにはやっぱり”漫画家”と言う肩書きがわかりやすいことや、他己紹介でもそう言われるから…と、半ば他人のせいにした逃げ道ありの決心だった。

とはいえ、今思い返してみると、何者でもない自分が”漫画家”と言うプロを自覚することで少しは自信が着くかも…という希望も少しはあった。

そんな感じで数年過ごしてきたけど、1年前、もう漫画家を辞めようと思ったことがあった。そのキッカケになったのが創作漫画を描きはじめたこと。

自らのチャレンジとして描きはじめたものの、それを世に出した瞬間から、これまでエッセイ漫画しか描いてこなかった海とは違った、先の見えない広い海に出航したような気持ちになった。もっと面白い漫画が描きたいと言う気持ちが盛り上がっていくに連れて、今まで読んだことのなかったジャンルや雑誌を読んでみたり、コマ割りやストーリーの作り方について勉強したり、絵の練習をしたり。

最初は新しく知っていく楽しさや、描けなかったものが描けるようになっていく喜びはあったものの、冷静になった瞬間に、理由のわからない大きなモヤモヤも感じた。そのモヤモヤがいつしか大きくなっていき、その結果、ペンを握ることが恐くなってしまった。

それから何も生み出せない日々が続き、ある時に思った。
もう漫画描くの辞めたい。

全てを投げ出そうと思った。けど、実際に投げ出してしまうと生活ができなくなってしまう。この逃げたくても逃げられない状況が余計に苦しくさせた。

どうにかできないかと転職サイトを検索したり、知り合いに求人していないかと相談してみたりもした。なんでもよかった。とにかく今の状況から逃げ出せるならと思ってた。


そんなある日、友人から言われた一言。
『”漫画家”名乗るのを辞めてみたら?』

この言葉を聞いた瞬間に、大きなモヤモヤの正体は『自分は”漫画家”なのに絵が下手だ』『”漫画家”ならば漫画に詳しくなければいけない』『自分よりすごい漫画家は星の数ほどいる』という、肩書きに捉われていたものだったと気がついた。

それからスルスルと頭からいろんな考えが抜け落ちて、次々と気づいていく。
もしかしたら創作漫画にチャレンジしたのも『漫画家なら創作漫画が描けないと』と思い込んでいたのかも。


自分はすごい漫画家になりたかったわけでもなければ、絵が上手くなりたいわけでもない。壮大なストーリーよりも、小さな日常を描いた話の方が好きかも。

それからは自分が描きたいことを、描きたいように表現できるようになった。
誰かと比較することもなくなって、楽に自分らしく毎日を過ごせるようになった。

こうして文章書くのも楽しいし、音声配信も楽しい。自分が表舞台に立たず、誰かが何者かになっていくのを応援しているのも楽しい。
肩書きが悪いと言いたいわけではなく、僕には肩書きが合ってなかったんだと思う。この1年があったから言える。

肩書きがなくても、自信がなくても、何者にもならなくても大丈夫。





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